予防接種について
予防接種はあらかじめ人間の体に備わる免疫システムを利用したワクチンを接種することにより、獲得免疫反応を起こし、自分自身の抵抗力を上げて、ウイルスや細菌による感染症への罹患や、重症化を予防するものです。
ワクチンの種類としては、以下のようなものがあります。
- 生ワクチン
- 生きたウイルスや細菌の毒性を最大限弱め、病原体をそのまま使用したもの。麻しん、風しんのワクチンなど。
- 不活化ワクチン
- ウイルスや細菌を加熱処理、フェノール添加、ホルマリン処理、紫外線照射などで無害化したもの。百日咳、インフルエンザのワクチンなど。
- トキソイド
- 細菌の毒素だけを取り出してホルマリン処理を行い、無毒化したもの。ジフテリア、破傷風のワクチンなど。
ひとつの感染症に罹ると、体力が奪われ、他の様々な病気を合併する場合がありますので、ワクチンで予防できるものは予防しておくことで、他の病気を引き起こすリスクも軽減できます。また会社や学校、地域などの社会全体の感染症蔓延防止にもつながりますので、積極的にワクチン接種されることを推奨します。
当院ではインフルエンザ、肺炎球菌の予防接種を行っています。また、そのほかのワクチンを希望される方はお気軽にご相談ください。
当院で接種可能なワクチン
ワクチン | 費用 |
---|---|
帯状疱疹ワクチン(シングリックス) | 1回 22,000円 ※2回接種 |
水痘ワクチン | 7,000円 |
肺炎球菌ワクチン(ニューモバックス) | 7,000円 |
麻疹ワクチン | 5,000円 |
麻疹、風疹ワクチン(MRワクチン) | 10,000円 |
狂犬病ワクチン | 14,000円 |
破傷風ワクチン | 5,000円 |
B型肝炎ワクチン | 7,000円 |
A型肝炎ワクチン | 7,000円 |
日本脳炎ワクチン | 7,000円 |
インフルエンザワクチン | 一般:1回 3,800円 伊貸市在住の65歳以上の方:1回 2,000円 小児(小学生未満):1回 3,800円 ※伊貸市在住の方補助あり。2回接種 |
インフルエンザワクチン
インフルエンザは38度以上の発熱や、のどの痛み、頭痛、関節痛、倦怠感、食欲不振などの全身症状が強く出るのが特徴です。体力がある方であれば、通常は1週間~10日程度で症状は回復します。しかし、高齢の方や基礎疾患のある方は重症化することがあり、肺炎などを併発して命にかかわる場合もあります。実際、インフルエンザがもとで亡くなっている方も少なくありません。また乳幼児や小児の場合は急性脳症などを併発する危険性があり、後遺症が残ったり、命に関わったりする例もあります。
インフルエンザワクチンを接種することで感染の予防はもちろん、重症化や合併症のリスクを軽減することが期待できますので、インフルエンザワクチンを接種しておくことをお勧めします。
インフルエンザはその年によって流行する方が異なります。それに応じてワクチンも作られていますので、インフルエンザワクチンは毎年受けることが望ましいと言えます。日本でのインフルエンザの流行時期は12月~翌3月頃となっており、ワクチンは効力を発揮するまでに約2週間、その後の持続効果は約5か月となっていますので、11月中旬頃までにワクチン接種をしておくとよいでしょう。
肺炎球菌ワクチン
日本では65歳以上の高齢者の方の肺炎による死亡率は非常に高くなっています。死に至らないまでも、一度肺炎になった肺は元に戻らず、体力が低下、再び肺炎や他の病気に罹ってしまうリスクも少なくありません。
中でも肺炎球菌は、高齢者の肺炎の最も多い原因となっています。肺炎球菌は、常時、鼻やのどの奥などにいる身近な細菌ですが、高齢の方や何らかの理由で免疫力が低下している場合に、肺炎や髄膜炎などの感染症が引き起こされます。市中で見られる肺炎の約2~3割はこの肺炎球菌によるものと言われていますので、肺炎球菌ワクチン接種による予防は健康寿命を延ばすためには非常に重要であると言えるでしょう。
また、インフルエンザに罹ると免疫力や抵抗力が低下し、肺炎を併発する場合が多くみられます。インフルエンザワクチンと併せて接種することをお勧めします。
伊賀市による肺炎球菌ワクチン助成について、および対象となる方については、以下をご参照ください。
高齢者肺炎球菌ワクチン【定期接種】 | 伊賀市 (iga.lg.jp)